全部で5回くらいにはしたいなと思いつつ。
(InDesignメモ その1 / その2)
今回の新刊作業では画像の配置についていろいろ気づきがあり、大活躍してくれました。
今回はその辺りにふれたいと思います。
画像配置には二種類ある。
画像の配置には二種類あります。普通に配置するのと、テキスト内にアンカー打って配置するのと、です。
(ほかにもあるかもしれませんが、やってないのでry(∀;))
どちらもテキストを避けてくれたりはするので、「レイアウト作業できればいいぜ」っていうノリで印刷物を作るだけならどちらでもよいのですが、一応、epub出力したときに懸案になりそうです。
図が文中のどこにあるのか明示されてないと、InDesignからepub出力したときに、図がすべて文の後ろに送られてしまいます(設定で回避できるのかもしれませんが(同))。
そこで、「文中のどこの図なのか」図と文を関連づけるのが、アンカーです。
「アンカー付きオブジェクト」として配置する方法ですが、テキストフレーム内の任意の位置にカーソルを置いた状態で「配置(cmd + D)」するだけです。
(逆に言うと、普通に配置したいときでも、うっかりテキストフレーム内にカーソル置いてたりするとアンカー付き配置になるので、にわかにアタフタします)
もしくは、すでに配置した画像を、テキストフレーム内の任意の位置にコピペしてもアンカー付き配置されます。なので、ワークフロー的には、まずたくさん配置しておいてから、順次よき位置にコピペしていくのがスムーズなんじゃないかなと思います。
アンカー付き配置にも二種類ある。
文中に配置されたアンカー付きオブジェクトは、テキストの一部、文字の一種のように振る舞いますので、アンカー付きじゃない配置よりも、自然と自由度が下がります。慣れないうちはそれが制約に感じられてちょっと不快。ただ、使い方を覚えてしまうと、自由度が低いからとって使い勝手が悪い訳ではないのだと気づきます。むしろ、やることが減るのでいっそ快適。
自分も、使い方を掴んで以降は「(よほど例外的な箇所以外は)こっちの方が快適だわい」とどんどんアンカー付きオブジェクトに置き換えていきました。
アンカー付きオブジェクトの配置の種類は
- インラインまたは行の上
- カスタム
実際には、「カスタム」で様々な配置が行なえるけどその中でも登場頻度の多いプリセット2種類を「インライン」「行の上」と名付けてフロントに出したよ、という感じでしょうか。
その切り替えは、アンカー付きオブジェクトのオプションで行ないます。当該オブジェクトを選択すると右上にイカリのアイコン(→)があるので、そこを「Option + クリック」。
もしくは、オブジェクトのコンテキストメニュー(右クリック)から「アンカー付きオブジェクト > オプション...」と辿ります。
テキストフレームをつなぐラインに似ていますが、こちらは破線です。
インラインまたは行の上
まずはカスタム配置じゃない方について。「インライン」は、画像を文中の一文字のように振る舞わせる配置モードです。テキストも、挿入位置のすぐあとから改行されずに現れます。「文字と同じくらいの画像」「文中に紛れ込ませたいアイコンのような画像」を配置するときに最も適していると思われます。このモードで大きな画像を貼ると、なんか微妙な感じになるので注意です(その行だけ、行の高さが画像の分高くなります)。だからってその前後に改行を入れて対処すると、あとあと修正が入ったときなどに「謎の改行」と化してしまうので、そういう即物的な対処は避けねばならないと身を以て学びました(←)。
「行の上」にすると、アンカー配置した行の、すぐ上に画像が配置されます。めっちゃすぐ上です。「後ろのスペース」の値で、画像と行の間隔を開ける必要がある気がします。画像の横位置を、テキストフレームの列内の左・中央・右で揃えられます。
また、なぜかアンカーを打った行とその次の行との間が詰まっちゃいます。個人の感想で恐縮ですが、このために非常に使いづらいです。というかそれだったら「カスタム」にします。対処法があるかもわかりませんが(^^;;
カスタム
これを選択した途端「ぽーん」と画像がズレるので、ビビって避けがちになってしまう「カスタム」ですが、慣れると怖くないので太い神経で取り組みたいと思います。設定項目は、大まかに2ステップに分かれています。
- オブジェクトの基準点をどこにするか
- その基準点を、どこに持って行くか(なにに揃えるか)
さらに、後者は「X位置」「Y位置」それぞれをどこへ持って行くか指定できます。「分けて考えり」ことで、レイアウトする時に思考を整理しながら調整する手がかりになります。
まずオブジェクトの基準点を指定します。配置している画像側の、基準点です。
UIは、PhotoshopやIllustratorなど、Adobeファミリーでおなじみの感じのあれ。デフォルトでは右下になっているんですかね。
画像を配置していく作業では、ほとんどの場合「ページ上のなにか(どこか)」と「その画像のどこか」とを揃えたい・合わせたい、というのが目的となります。ここでいう「その画像のどこか」を指定するのが「基準点」です。
ページの左上にピッタリ画像をくっつけたい場合は、画像の基準点も左上です。テキストフレームの外側の、下側につけたい場合は、画像の基準点は、上段三つのどれかになるでしょう(たぶんたいてい中央)。
レイアウトの完成形をイメージすればすぐ決まります。
基準点を決めたら、それをどこへ揃えていくかを指定します。
ここにも「基準点」があるので(←)若干印象をややこしくしてます(笑)。
しかも、なにやらデフォルトでは「中段3つ」しか選択できない……。
この「二つ目の基準点」は、オブジェクトが配置される書類の側、誌面の側の基準点です。ちゃんとページっぽいアイコンの上に乗っているのでそこから意味合いを推察できます。今気づきましたが。
この基準点、Y基準が「行に関するもの」になっていると、上段と下段が選択できません(→)。
Y基準プルダウンには10項目ありますが(※InDesign 2014.1(10.1.0.71)時点)、上から六つが行に関するもの、下4つ「列枠」「テキストフレーム」「ページマージン」「ページ枠」が、行に関わらないレイアウトをしたいときに使う項目です。「列枠」から「ページ枠」まで、下に行くほど、外側に対するレイアウトになります。
これら下4つの項目を選択すると、基準点UIの中段以外が選択可能になります。
あとは、「横位置は列枠の左端につける」「縦位置はテキストフレームの下端につける」……など、結果を言語化しながら作業すれば、おのずとイイ位置に持ってこれるはずです。
これを使うと、「意味的には、テキストのココに関連する画像→だけど、ページレイアウト的にはページの端っこのココ」みたいな、アンカーからかけ離れた位置への配置もピタリと出来るようになります。
最後に、それぞれの「オフセット」欄で位置を微調整して完成です。
位置調整は全てオフセット!で貫いてもいいですが、それだと、そこよりも前の箇所で修正が入ったときに破綻する恐れがあり、旨味半減です。作業自体は直感的になることはなりますが。
余談:「手動配置を防ぐ」にしない
これって要するに「オブジェクトのロック」なので、レイヤーパネルを降りて行ってロックを解除するまで、選択すら出来なくなります(選択できない=アンカー付きオブジェクトのオプションも開けない)。確かに、手動配置は破綻のもとな気もするので防ぎたいことは防ぎたいんですが……。
「レイヤーパネルを下って行ってロックを解除する」っていう作業をスムーズに行えるフローであれば使いやすいとは思います。
……さて
画像配置だけで思ったより長くなってしまいました。二回に分ければ良かったですね。
次は特殊文字あたりを取り上げたい気がします。
■ InDesignメモ 1〜4
- InDesignメモ[1] : とにかくブック作る
- InDesignメモ[2] : シンタックスハイライト(正規表現スタイル)
- InDesignメモ[3] : 画像のアンカー付き配置 [この記事]
- InDesignメモ[4] : 特殊文字、分割文字
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