2016/04/24

イーストコーストからの風景

本来アニメのレビューをするようなブログでもないんですが、つい(笑


ユーフォ劇場版観てきました。

一挙配信っていうのをやってたので、それでTV版を一気観して、
そのまま劇場版観に行って、原作一巻読んで、というところでの雑感です。
ネタバレあり。


「響け!ユーフォニアム」ですが、実は観るの避けてました。
中高と吹奏楽部だったので、なんか心身に影響を及ぼすんじゃないかと(笑
一応、今は吹いてないんものの、年に一度はどっかの予選聴きに行ったり、
スコア買ったりする感じの趣味にしている状態です。


さて。
評判通りに面白かったです。
映像のクオリティも高く、青春物語に適度にえぐられるなど
素晴らしい満足感でした。


下記、だらだら書いていますが、
概ね「あ、劇場版ここカットか!」がほとんどです。(そうじゃないとこもありますが)
観に行くか行かないか判断材料を探している系の方の足しになれば。

=====

劇場版は、
概ね黄前久美子と高坂麗奈の関係を軸に整理されています。
TV版当初の、コミカル路線も視野に入っていたと思われる個所はごっそり整理の対象になり、ドラマ重視、シリアス路線に。


・サクルソン属 がカット!
ある意味TV版最大の衝撃だった(楽器への愛、含蓄あふれるはずの)田中あすか痛恨一撃「サクルソン属」がカット。
また、そういう奇人っぽい感じも概ね整理されてました。手品もしません。
だからこそ「心底どうでもいいかな」がシャープで唐突で、ぞっとする感じが際立った気がします。


・サファイアちゃんの名前のエピソードもカット
劇場版でサファイアと呼ばれるのは一度だけ? 突然先生がサファイアと呼ぶので、むしろ先生だけ変なひとに見えないこともないです。w。
ガチャ好き設定もなくて、最初の方に一回だけまわしてたかな。

・加藤葉月の恋愛イベントもわりとカット
なので、告白がえらい唐突に見える気もします。(そういう勢いのあるキャラとしても成り立ちそうなのでありといえばありなのかー)ノートに三角形書くところは欲しかった気がしますが。
同様に、サファイアちゃんがけしかける、失恋イベント後へこむ、チョップされまくる、の流れも整理。ちょい残念。

・斎藤葵がいません
受験等による早期退部は定番あるあるイベントではあったのですが。。。

・現3年と2年の軋轢のところもわりとカット
・吉川優子と中川夏紀のやりとりも減少
中川夏紀が練習に身が入らなかったのが徐々に熱心になる流れもカットされているので、冒頭だけ眠そうなひと、みたいになってますw でも、ホール練で中川夏紀の背中に吉川優子がぶつかっていく場面は残してあって、なんでかなーと一瞬思いました。

多分、犬猿の仲の二人よりも、吉川優子(と中世古香織)にだいぶ寄った構成になっているため、ここは吉川優子の描写という点でカットできなかったんだろうなと。(オーディションのときに香織先輩の代わりに泣く役割があるので、「黄前久美子と高坂麗奈」に次いで重きをおいてあるのだろうかなと)

・二年オーボエさんパート追加。
吉川優子さんの悩みカットが追加されてて、そこに登場。2期の重要キャラらしい?
二巻以降は未読です。

・追加といえば、マーチングの曲がフルバージョン。
マーチングイベントまでの練習はだいぶすっきりになってましたが、イベント当日の演技は増えてました。


・コンクールでの自由曲も伸びてた。
あ、このメロディーは。
ってなりました。

・鼻血パート
「本番までにできますか?」→鼻血、高坂麗奈と練習→やっぱりカットされる
の、真ん中のところがえらいすっきりしてました。鼻血の一連がなくなってて、

「できますか?」→やっぱカット

くらいのテンポ感になってました。もう少しねちっこく、悔しい感を出してあげてほしかった気もします。
また、真夏の日陰で照り返しの強い中練習している一連、密度感のある画作りだったと思いますが、それも減っていて残念。TV版では、あぁ、ああいう風に見えるなー個人練してるひと(青春補正)と思って観てました。

・「くやしい」のところの二重録音
劇場版では、心の中の「くやしいくやしい」と、
走りながら嗚咽をかみ殺す演技が
二重録りになってて、すごみがありました。ここを観にもう一回行ってもいい。
ここに限らず、劇場用音作りはほんとに素敵な仕上がりです。


・録り直しといえば、高坂麗奈の「うざい、うざい、うっとおしい」の一連、
演技タイミングや抑揚が微妙に変わってる感じがよかったです。あの手で膝をバシバシするしぐさ、いいですよね。

・でも、「くやしい」パートで流れてくる天国と地獄、先生が事前に聴いてたりが減ってるので、これは唐突感が拭えなかったのでは。流れの中で馴染んでないので、陽気だなと。


・エンドロールの画像がコンクール後の描写になってました。これも動いてたらなーとも思いますが、イベント後の思い出感が強烈に出て、これはこれでいい感じにダメージが(笑
エンディング曲は劇場版仕様。


・ほか
日常パート、主人公のご家庭やテストや面談も、のきなみすっきりしてました。
ユーフォを家に持って帰ってて、なんかむしゃくしゃしてメチャ吹きするところは無くなったのは、ちょっと残念?w
サブチームがお守り作るところも。あれは吹奏楽あるある的にはぜひ欲しかったけど……
というかグッズで売られてるけど、もしかして見落とした……?

・製作委員会のところに知人の名前を見つけてびっくり。

=====

TV版を含む「京アニ版ユーフォ」という作品についての感想

・「すいぶ」「こんばす」
聞いたことが……ないです……
地域性なのかな。方言?


・選曲の不思議
天国と地獄、家路、シェエラザード、どっかに行ったイーストコーストの風景と宇宙の音楽。
有名旋律を入れようということなんだと思いますが、でもファン的には吹奏楽オリジナル作品を入れて(or残しておいて)欲しかった気がします……w
(そういう意味では、絶対凝り性っぽいあすか先輩が自由曲について「先生さすがわかってるー」的にいうのは、かなーーーり不思議だなと思います(笑))


・秀一さん、謎な人だ
なぜそこを歩いてる、なぜそこにいる、みたいなのがところどころにある人だなって思いました。一番分からなかったのが、一緒の部活のはずなのに、帰路で途中から電車に乗ってくるところ。なにか見落としてるんですかね。なに見落としてるんですかね。ネットの海を探せば解説ありそうですが。
つぶさに見直していつか腑に落ちたいと思います。


・プロヴァンスの風
といえば、昨年度のコンクールの課題曲で、転調が話題になった作品ですが、
クレジットの「作曲 / 編曲」が気になりました。
例えばご本人が本作用にカットなど編曲されたということであればそれでいいと思いますが……
以前聞いた事例で、テレビ屋さん的な慣習で、「編曲」をつけないといけないと思い込んでいる向きがあるとかないとか。
いわゆるシリアスな音楽の作曲の場合、それでいう編曲までやって「作曲」になるので、上記のような編曲作業を新たにしていないなら、「作曲 / 編曲」はおかしな載り方です。まさか、どうクレジットされるかご本人に確認せずになんてことはないよね、と気になりました。余計なお世話、だといいですが。
(と思ったけどそういえば自由曲のも「作曲 / 編曲」になっていたので、これはひょっとして……)


・吹き替え奏者について
これは作品のクオリティとか、鑑賞した満足感とかとは全く別の問題ですが……

オーディションでは、大学生とプロ奏者が吹き替えをして差を出した、とどこかに書いてあったのを読みました。
あのパートの演奏は、セリフと同じかある意味セリフ以上の重みで音楽が使われているわけですが、それなのに吹き替え奏者がクレジットに無い。これは、明確に落ち度だと感じました。制作現場ではなくマネージメントかマーケのマターだと思いますが……
音楽協力、演奏協力はクレジットされていますが、そこに込みなんで、で済むんでしょうか。業界慣習とか文化的なものそういうことならば、そんなものは廃れてしまえと思います。
(これはこの作品だけでなく、割とちらほら感じることです)


・マーチングのリッカ

ですよねー! >橘
マーチングの回は、マーチングといえばミカン色くるかーと思ってたら
反対色の水色だーーーって感じで観てました。
実際の演技見るとほんとに圧巻というか驚異的というか見事です、橘。
(マーチングといえば、リッカの演奏で「おおおフニクリフニクラかよ〜、しかもリード版だ〜」ってなりました。特に意味はありませんが)


・コントラバス奏者の映し方
キャラ売りという側面もあるので仕方ないと思いますが、演奏会映像の収録でよく言われるのは、コントラバスパートは顔を意識して撮るとなにやってるか分かりづらいので、
弓のあたりまで映すように、ということです。
弦パートがグリグリ動く箇所で、弓のあたりが映ってなかったら、かなり美味しさが減じてしまうというか……(^^;
でも、「いい演奏会の映像」が目的ではないので、これでいいのだと思います。

・そのほかの瑣末なあれこれ
「(マーチングのある)サンフェスに出るのが伝統」で「60人からの部員がいる」部で、ランニングする意味がわからない的なリアクションが返ってくることってあるんでしょうか?多分去年もマーチングしたんでしょうが、体力作りなしに……?
オーディションについても同様。もちろん「(学年順じゃなくて!?)」っていう意味での「えー」はあるでしょうが、黄前久美子さんに関しては、10年前の有名指導者を知っていたり、「全国目指してる感じじゃないのかなーでもあれは下手すぎる」など多少意識高い感じもあるので、やっぱりあそこでは「えー」とは言わないでしょう。
マーチングイベント時の楽器積み込みで、加藤葉月さんがスーザフォンをひとりで持ってますが、あれは持てないことはないと思うけど持てなさそうな人にはさせないと思うので(なにしろ楽器落とすのは最上級の大罪ですし)、うーん。
でももちろん、これらはいずれも演出上おもしろくするためにファンタジーしているというか、エモーショナルエンジンというか、
これらのディテールを再現しても面白くなるかというと別問題なので、
そういうことなのだと思います。
海兵隊合奏の後マウスピース投げる準備するカットは面白かたですw


とはいえ、ディテールといえば、金管楽器のピストンの戻りが遅れるのとか再現していて、とてもいいですよね。
「天国と地獄」の題名が「正しくは地獄のオルフェなんだよねー」でクレジットでもそれで通しているのも、こだわいのディテール?かと思います。原作では指揮棒持ってた滝先生が棒なしになってて「打点分かりにくい」って言われてたり。
どちらかというと、作品というファンタジー世界の中でたまたまピストンの辺りはディテールが似ていた、くらいの感じが楽しいかもしれません。



……だいぶざーっと書きましたが、
(ほかにもある気もしますが)だいたいこんなところで。
2巻3巻もはやく読みたい。二期までに……っ
(あと武田綾乃さんのデビュー作も気になる)


二期は秋クール(10〜12月)とのことですが、
今年の関西支部大会 高校A部門は8/28、
全国大会 高校部門は10/23です。


……こちらにたどり着いた吹奏楽好き(?)な方でもしCGしてる方がいたら、
qiitaとかboothもよければどうぞ
> http://qiita.com/it_ks
> https://circleqt.booth.pm/

0 件のコメント:

コメントを投稿