2012/03/16

HIERO発表会に行ってきた!

いきなりスクリプトでもテクニカルでもありませんが…パイプラインネタということで!


かのコンポジットツールNUKEにて今をときめくThe Foundry さんが肝入で開発中のツール「HIERO」の発表会に逝って参りました。
HIEROとはなんぞやというところを前情報で眺めていて出てくるのは、どうやら「タイムライン管理」システムだということ。
たいむらいんかんり?それは、AdobeでいうところのAE(縦編集)とPremiere(横編集)タッグのTheFoundry版というか、NUKEにとっての横編集ソフト…っていうのとは違うのかな?

という感じで興味津々出かけて参りました~




◎HIEROはこんなソフト

・読み方は「ヒーロー」! 一応「ヒエロでは…?」という説もあるにはあったのですが、ロンドンからこられたスタッフの方もデモ中「ヒーロー」と発音されていました。そういえばネットに上がってた公式の紹介ムービーでもヒーローと発音されてましたね。
※Foundry公式サイトでもヒーロー物アメコミ風の紹介イラストがあるので間違いなしw

・ワークフロー内の位置づけとしては「編集完了後」の各カットの詰めが行われている時の、タイムラインを管理するソフト。現場はカット単位の仕事に注力している時の、ちょっと俯瞰した位置につくソフトという印象でした。

・機能としては 1)編集後のEDL、XMLを読み込む。編集作業も可 2)それを元に尺や書き出し先などを設定したNUKEスクリプトを作成 3)VFXアーティストから上がってきたデータの回収・プレビュー・バージョン管理 4)pythonによる機能拡張


ワークフロー模式図。
プレビューではベクトルスコープやパレードなどを表示して確認しながら、カットのバージョンを切り替えたりしつつ再生可能。
カット編集系のツールもひと通り用意されていますが、といってエフェクトや色調整の機能は備わっておらず、それら絵作りそのものに関する作業は専門のソフトをそれぞれ用意してやってね、という思想のようです。まさにあくまでも「タイムラインを管理しているんですよ」というソフト。
VFXアーティストの作業の起点になるソフトということもあり、数人以上に一本、スタジオに一本というか、NUKEのようにアーティスト一人に一本用意するようなソフトではない、とのことでした。

pythonでの機能拡張もかなりプッシュされてた気がするので、じゃんじゃんいろいろ手を加えてくださいとも考えているようです。ちなみにUI作成はPyQtではなくPySide。

よく「コンフォーム」という用語が登場していましたが、これは編集以降の工程では一般的な用語なのでしょうか?それともこれから定着させようとしている用語なのでしょうか??ちょっとどういった作業or状態を指しているのか自分にはつかめませんでした…。
(その後、映像の編集の行程ではコンフォームというのはよく聞く用語だということをしりました。)

日本語マニュアルもすでにだいぶ仕上がっているとのことで、完成版ではないものの現行版が会場では配布されました。


◎予価とか

海外での価格は $5000
国内価格はまだ確定ではないものの、
「NUKE以上、NUKEX以下くらい?」
とのことでした。

あ、ちなみにwindows版は現在鋭意開発中で、数カ月後ということでした。まずはLinux版とOSX版がリリース。タイムラインをXMLで読み込み可能ということで、[FCPX]→[HIERO]→[Davinci]なんていう鋭角なワークフローもありえたりしますねw


会場ではヒーローなりきりセットが配布されました
◎…ということで
印象としては「いままで手作業でやってきたけど人数が増えてくると馬鹿にならない部分」の効率化のために開発されたような感じで、
そうした雑用的な部分が問題として顕在化していないのであれば、『必要!』っていう性質のソフトではないかもしれません。
でも、ファクトリーと呼べるような大型の製作会社では、こうしたソフトは必須になってくるのではないかと思います。


■関連リンク

日本での代理店indyzone様のブログ内 HIERO紹介記事
http://indyzone.jp/blog/archives/2012/03/the_foundryhier_3.html

開発元The Foundry様 HIEROのページ
http://www.thefoundry.co.uk/products/hiero/

発表会のために本国から派遣されてきたヒーローマンくん。もちろん英語しか喋りません。
http://twitpic.com/8vqsu8
敬意を込めて非公式RT(?)ww

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