2012/04/22

道具ではないのだよ道具では ~kinesisレビュー~

ちょっとスクリプトでもCGでもない閑話をエントリー。
知る人ぞ知る強力キーボード「キネシス」を人柱してみましたので、レビューいたします。

まずはキネシスとはなんぞやというと、
こちらです →エジクン技研 キネシス社キーボード
ご覧のとおり形状に非常にインパクトがあり、もしかしたら意味がわからなくて存在を認知していなくとも視界の片隅で見かけた覚えがある、ような気もする、という方もいらっしゃるかと思います。
基本的には、操作はマウスを出来るだけ使わずキーボードで済ませたいぜ、その方が高精度・高速でストレス少ないぜ!というキーボードらープログラマー方面から支持されているようです。もちろん大量に文字を打つライターさんからも。

そんなステキウェポンを諸般の事情によりポチっとなしてみました。




大きさはこんな感じです
この1月末に発売されたねんどろいどアペンドミクさんと大きさ比較。なかなか分厚いと思います。
というか分厚いです。テンキーがないため専有面積自体はそれほどでもありませんが、上背があるお陰でなかなかの存在感。
慣れないうちは、朝来たらデスクにプレステが横たわっているかと色めき立つことマチガイナシです。

さて。
一眼して、このキーボードの売りは何なのかと言われたら明らかにお椀型配置にあります。
その意図も明らかで、指の可動域にあわせてキーを配置することで手首の無駄な動きをなくし、疲れにくくし、結果的に選手寿命が伸びていくらでも馬車馬のように働けるという云々カンヌン。素晴らしいですね。



それを突き詰めた結果、通常のキーボードでは遊び気味の親指に、文字のタイプ以外のキーがごっそり割り当てられています。でも親指さんたらそこそこ良く動くので、ぜんぜん苦になりません。むしろ、スペースバーしか割り当てられない通常のキーボードが思想的に間違ってるんじゃないかという勢いです(笑
ただし、これまで右小指が担当していたBackSpaceが左親指に来ているなど、染み込んでいる人ほど乗換えには苦難が伴うかもしれません。同様に右親指に来ているスペースも。こちらについては後述します。



タイプに関しての結論ですが、
慣れてしまえばさすがに打ちやすいです。
お椀型のお陰で指をちょいと動かせば狙いの文字に行き当たる配置の妙もさることながら、右手左手のポジションが非常に離れているのも効いています。キーボードの真ん中あたりは人差し指担当領域がせめぎ合うことのなるのですが、これだけ離れていると、横着してまたいで打つこともなく変な癖=余分な手首の動きがなくなります。というか、自分のブラインドタッチこんなにへんな癖があったのかと驚愕。矯正にもなりますね☆
よくよく考えれば、キーがひと連なりになっている通常のキーボードは、人差し指担当キーが真ん中にあるわけで、実際その位置で指を揃えてみると結構手首に負担がかかることが分かります。
手をなんとなくデスクに置いた位置に左右の担当キー群がそれとなく来るあたり流石というべきやもしれませぬ。当然というべきか、FキーJキーのぽっちもありません。
↑↓←→のキーが両手の人差し指中指に割り当てられており、これも通常のキーボードでの「だいたい右下=右手担当」という感覚からするとセンセーショナル。しかしそれでは右手がポジションを離れてしまうためヨロシクないということなのでしょう。このあたりも乗り越えてしまえば指を手前にひょいと引くだけなのでなかなか感覚的。
キータッチは軽め。タイプ感はカシュカシュという感じでまずまず気持ち良いと思います。というかそもそもキータッチをしてキーボードの売りとしてアピールすること自体が(大事ではあるものの)本質的なことではない、と痛感させてくれます。
マウスの多様性、使い心地の模索ぶりと比べれば、キータッチやストロークやらマルチメディア機能以外に正当にアプローチすべき部分がもっと他にあるだろうという感じです。
キネシス自体がきわもの、いろものっぽく見えてしまうその空気を、ある種の怠慢めいた何かが醸成している気がしないでもない気がしてきてしまいます。
これが世に言うキネシス中毒というやつでしょうか。南無。


とは言え欠点もないでもありません。というか普通でないこと自体が欠点といえば欠点であって、いろいろ違うということが単純にヘヴィーです最初(笑
先程は褒めた指の配置についても、おおむね外国人向けに設計されているためか、一部キーではうまく働かない場合もあります。それが「コントロール」キー「ー」キーです。
なに!コントロールキーだって!? そう、コントロールキーです。
多分設計思想的には親指の先がここを担当するんでしょうけど、我が小さめの手にはちょっと遠い。微妙に遠い…結果、ちょっと背伸びさせて押すことになるので、もっともよく使うと思われる「コントロール+zxcv」系が、若干押しづらいことになります。altキーもそれに準じて厳しく、alt + tab ともなればアイアンクロー並みに手を開くことになります。
「ー」も、ちょおおおおおっとポジション外して打つことになるので、違和感。逆に言えば、慣れてくるとわずかにでも手首を動かすのが「…」てなってきます。あら不思議。真っ直ぐなキーボードで打つときはざくざく左右の手を動かすのにね。

もっとも、配置変更機能がキーボード自体に備わっているので(ドライバ不要!メモリを内蔵しているようです)、じっくりカスタマイズすればどうとでもなるともいえます。


あとはファンクションキーですね、こちらなんと消しゴムキーになります。ファミコンの、スタートボタンとかのアレですね。安くないキーボードなので、これはちょっとムムムム…。一応、ファンクションキー群は指伸ばし気味にタイプすることになるため、滑り止めも兼ねてキーを変えているんであろうなとは思います。
指を伸ばしてタイプするといえば、エヴァンゲリオン新劇場版破のエントリープラグ内のシーンでそのようにキーをカチカチするシーンもありましたね。当時、あんな所にキーがあったんだ、なんかカックイイ、などと思ったものです(しみじみ

それにしても、なんかちっこいぞファンクションキー。

あ、ちなみに付属品としてMacOS用のキーも用意されています。キートップ外し器(なまえなんていうのww)もついてきます。あとパームレストに貼るなんかウレタン状のものもついてきます。


クリエイター業で使うにあたって

さて、ここからがある意味本題です。
CG業務で使えるか。
結論から言うと、かなり気合を入れて取り組まねばなりませんw

そのまえに配列を確認しておきましょう。
配列

デフォルトでの最大の欠点はもちろん、スペースキーの位置です。
そのデカさゆえでしょうか、制作系ソフトではわりとスペースバーに特殊な意味合いを持たされていることが多いですよね。mayaではビューの切り替えとかホットメニューとか大事なところを受け持ってます。
そのスペースが、親指の位置にあります。これじゃ右手でポインティングデバイス使いながら左手でキーボード操作という極めてオーソドックスなスタイルがとれません。qwer系は全然問題ないんですが。
スペースにかぎらず、キー配置の位置でもってキーにコマンドをアサインしているソフトは多いですので、相性によっては、デフォルトでは全く使いづらいことになります。先述のファンクションキーもかなり「押される頻度の低い人達」扱いされていますので、よく使うソフトとは相性悪いでしょう。mayaもね。
またalt + tab が押しづらいということは、アプリケーションをガツガツ切り替える場合に不利と言うことになります。ビューアー切り替えまくって素材を見比べるとかの場合には、だいぶ戦意をそがれる気がします。…手が…手さえ大きければ…それでいいことなんですけどね…。
いや、手が大きかったらファンクションキーもっと押しづらいじゃん?どういうことだ。

デフォルトでの、という枕詞の通り、キー変更機能を活用すればだいたいは解決できるんですが、ここにも罠があります。エルゴノミックを突き詰める余り、キー自体の背の高さが違う場合があるのです。具体的には親指系とかですね。このあたりを入れ替えると、その位置にあった高さでないキーを持ってきてしまう場合もあり、そうすると逆にエルゴノミックどころか障壁です(笑
いや、わしは完全ブラインドタッチだし、例外なくキーなんて見ないしタイピングしながら会話できるレベルだしキートップなんて印字削れててもいいし。なんていう状態までキネシスが染み込んでいる人にとっては、瑣末な問題かもしれませんが、ぼくはその域に達しておらず、したがってキー変更も大胆に行なえず、したがってしたがって、キネシスの本領を業務では発揮しきれない(具体的には、キーボードを二台つないでいる(爆笑))状態となっております。


あそうそう、キネシス自体に2ポートのUSBハブが付いておりますので、サブキーボードとマウスをつないでおくなんていうことも可能。厚みがあるので4ポートとかにしてくれてもいいのにw

ボディに容積があるため、なんかアツイ改造を施しておられる方も多いようです。真ん中の空きにトラックパッド仕込んじゃったとか。ご興味のある方は探してみてください。





ひょんなことから購入してしまったキネシスですが、本領を引き出してあげれておりませんがそれなりに気分良く使っております。別に腱鞘炎で限界が来たとか必要に迫られて購入したわけではなく、単純な興味といえばそれまで、あるいはなにかがよくなるかもという進研ゼミ的なアレだったと言えなくもありません。たまたまなにかを効率化したい煩悩が高まった時に、たまたま懐に諭吉の影がちらついただけかもしれません。
制作系ソフトでの使用に際してのあれこれを考えると、やっちゃった感を感じていないといえばうそになります。そこは頑張る他ないでしょう。

そんな使い初めの頃、さるお方にこれを紹介してみての一言を引いて、筆をおきたいと思います。


「なにこれ。…ふうん。

道具じゃないんだよ。道具じゃ。」

20120420 0720

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